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校長ブログ

入学式式辞

【入学式式辞】

   厳しい冬も終わり、葉桜が目ばゆい希望に満ちた季節が巡ってまいりました。  
   この佳き日に、学校法人山村学園理事長 岡 實様・後援会会長 佐坂 公規様・同窓会会長 田中 久子様をはじめ、多くの御来賓の皆様の御臨席を賜り、保護者の皆様の御出席のもと、平成三十年度 山村学園高等学校入学式を かくも盛大に挙行できますことは、本校にとってこの上ない慶びであります。

 只今入学を許可された561名の新入生の皆さん、ご入学おめでとう。

   皆さんは、ご家族の応援を受けながらも高校入試という人生で最初のハードルを自らの努力で乗り越え、本日ここに山村学園の生徒となりました。
   本校の始まりは、大正十一年、山村婦みよ先生により川越小仙波の地に開かれた「裁縫手芸伝習所・山村塾」にあります。開校以来、震災や戦火を乗り越え、また時々の社会の要請に応える着実な学校経営を重ねることにより、今日九十六年の歴史を刻むに至りました。皆さんには、山村学園高校生としての自覚と誇りを持って、先輩たちが築いた伝統を、さらに大きなものとしてくれることを期待します。
 
   さて、現在、世界的な情勢の変化や急速な技術革新などにより、将来の予測が大変に難しい時代になっています。人工知能などの発達により、今は存在しない新たな職業に、若者の多くは就くことになる、との報告もあります。
 一方、我が国の少子高齢化のスピードは加速度を増し、皆さんが社会の中堅として働く頃には人口の3分の1が高齢者で占められる上に、人口減少により存続できない地方自治体が数多く発生する、と極めて厳しい予測もされているところです。
   このような時代であればこそ、皆さんには将来を見据えて、自分の未来の設計図をしっかりと描いていただきたいと思います。
   そのためには、まずは「自分を知る」ことです。自分とはどのような人間なのか、自分の良いところは何か、そして自分は何をしたいのか。これらの答えは、高校生として人間や社会への関心を深め、積極的に様々なことを学び、体験し、たくさんの人々と関わりを持つ中で見出すことができるのです。
   幸いにして本校は、勉学や部活動・学校行事などに意欲的に取り組める環境に恵まれています。教育熱心な先生方や切磋琢磨できる優秀な仲間たちにも囲まれています。皆さんは、これからの高校生活を受け身の姿勢で過ごすのではなく、自ら主体的に行動することで、「自分という個性」を見極め、将来の目標を見つけて欲しいと思います。

   次に、その目標を実現するためには、高校生活をどのように過ごしたら良いでしょうか。
 平昌冬季オリンピックのスピードスケート女子500mを、五輪新記録で制覇した小平奈緒選手の活躍は記憶に新しいところです。レース後、小平選手が宿敵の韓国人選手を労りながら、互いに健闘をたたえ合う姿には、爽やかな感動を覚えた人も多かったのではないでしょうか。
   その小平選手の座右の銘は、インド独立の父マハトマ・ガンジーの「明日死ぬかのように生き、永遠に生きるかのように学べ」という言葉です。小平選手は、この言葉を「日々自分超え」というフレーズに置き換え、血の滲むような練習を重ねて、栄光を手中に収めたそうです。
 目標に到達するには、小平選手のように、日々自分を超える努力を積み重ね、少しずつ自分を成長させること以外に方法はないでしょう。しかし、実際に毎日努力を続けることは簡単なことではありません。人間は弱いもので、辛いことや嫌なことを避ける傾向があります。努力をしてもすぐに成果が出ずに、目の前の高い壁に挑戦する気持ちが失せてしまうこともあるでしょう。
   イギリスの哲学者フランシス・ベーコンは、「高みにのぼる人は、皆らせん階段を使う」と表現しています。高い目標に到達する過程は、決して平坦で直線的な道程(みちのり)ではないのです。
   大事なことは、自分の成長を周りの友人と比較するのではなく、昨日の自分と比べてみることです。高校時代は、人生の基礎固めの最も重要な3年間です。この3年間を「日々自分を超える」強い気持ちで、一歩一歩とらせん階段を登っていけば、必ず目標への道は開けるでしょう。

   ところで、「人間は社会的動物である」との言葉のように、私たちは否が応でも人と人とのつながりの中で生きています。
   社会が高度に複雑化した現在、国籍や性別などを超えて、多くの人々と協働することがますます求められる時代になっています。したがって、チームワークで働くことのできる人が、企業の就職時などに高い評価を受けている傾向があるのです。そこで、皆さんには勉学も、学校行事も、部活動も、仲間と励まし合い、協力して取り組んでいく「チーム山学」の精神で頑張っていただきたい。
   個人戦ではなく、団体戦です。団体戦は、協調性を養うだけでなく、仲間と何かを成し遂げる過程で得た成功や失敗の経験が必ず皆さんの財産となります。物事に本気で取り組む中でこそ多くの忘れがたい思い出が生まれ、また生涯の友が見つかる契機となるのではないでしょうか。

   皆さんには、今日の感激を忘れずに、一人ひとりの高校生活が充実し成果をあげることを、心から強く願います。

   結びに、保護者の皆様に申し上げます。
   本日は、お子様のご入学、誠におめでとうございます。高校受験という十五歳の子どもには過酷な試練を、お子様に寄り添いながら過ごされた結果が、今日の晴れの日を迎えられたものと拝察申し上げます。私たち教職員は、本校の校訓「質実」「英知」「愛敬」を踏また教育方針で、お預かりしたお子様の知性と人格の足腰を鍛えあげ、社会で活躍し貢献できる人材としての土台を着実に築きあげたいと考えております。
   そのためには、学校と御家庭との緊密な連携と相互の信頼が不可欠となります。御家庭におかれましては、本校の教育方針を御理解の上、お子様の成長にともに手を携えていただきますようよろしくお願い申し上げます。
 本日御臨席いただきました御来賓の皆様方には改めて御礼申し上げますとともに、今後とも新入生への御指導と本校への変わらぬ御支援・御協力をお願いして、式辞といたします。


2018.04.06